2014年10月3日金曜日

川柳を楽しむ十箇条

万能川柳・傑作1000句』(仲畑貴志・編、2002年、毎日新聞社)を読みました。前書きに「毎日新聞にお送りいただいた150万句の中から選び抜いた1000句が、この一冊」と豪語してあるものの、文句なくおもしろいのは全体の一割ぐらいです。しかし、これが抜群におもしろく、参考になりました。

万能川柳は軽妙な笑いを旨としており、同書2217頁にある、この趣旨の作句に役立ちそうな十箇条(うち二つは一般性がないのでカット)をご紹介します。以下の条文と説明、趣旨を曲げない範囲で私が一部修正を施していますので、あしからず。

1.川柳は「みんなのつぶやき」と知るべし
世界に何億人いようが、アナタは一人しかいない。アナタらしくつぶやいてください。

2.川柳は楽しく生きるための道具とすべし
作句で苦しまない。心にプラスとなり、生活が楽しくなるよう気楽に作りましょう。

3.五七五のリズムを大切にすべし
作る心は自由でも基本形は大事。それでは自由が保てない場合に形を破ってみる。

4.おちゃめ歓迎チャーミングを旨とすべし
難事の困難感がユーモアにより減少し、新たな道が拓けるかも(?)。暗闇に光を!

5.人を傷つける表現は慎むべし
笑い飛ばすなら自分を材料に。人や世間には、怒りの直球ではなく変化球を投げる。

6.気楽に長いつきあいをモットーとすべし
川柳で自分史を! 折々に書き留めた自作をながめて人生を省みる楽しみや如何。

7.老若男女を問わず仲良く楽しむべし
家族ぐるみ、学校のクラス単位、気の合う仲間どうしで共同作句を試み投句する。

8.いつも手帳を携帯して思いついた句をメモするべし
夜中に突然目が覚めて、ひらめくことがあるやも。手帳とペンは常に枕元に。

最後に第1回川柳ひろば落選句の紹介。他人の句ばかりにコメントしていないで自分のも紹介せよというリクエストに応えて、今回は私の落選句(だが自信作)を取り上げます。

  アナウンサー「腹部」を「ハラ」と今日も言い
<コメント> 変だな、という思いは作句のタネ。「被害者は首・足・手・腕を刺され」を聞きなれた耳に、ある日突然「被害者は腹(はら)を刺され」が飛び込み違和感大。腹部とかお腹(おなか)と言ってほしい。「部」をつけずに統一する規則が局内にあり、「ハラ」になるのでしょうか。「ハラ減った」ならわかるんですが。「被害者はハラを刺され病院に」は、お気に入りの女性アナウンサーには使ってほしくない筆頭表現です。

*別のニュースでは、テニスの錦織選手が「臀部(でんぶ)に痛みがあり欠場」と説明。「刺される」と「痛みがある」などの前に付く身体部位の表現形式を放送局がどう定めているのか、知りたいものです。

以上

(川柳ひろば管理人・森川博己)

◆「川柳ひろば」の投稿先:
   日本福音ルーテル社団(JELA)「川柳ひろば」係
   住所:150-0013 渋谷区恵比寿1-20-26 
   FAX:03-3447-1523
   E-mail: jela@jela.or.jp 皆様のご応募をお待ちしています。

【関連リンク】

0 件のコメント:

コメントを投稿