2014年4月の川柳ひろば発足から第二回分の投稿を締め切った10月末までにいただいた420句あまりのなかで、管理人の目から見て、ユーモラスで味のある作品をご紹介します。コメントはすべて管理人がつけました。作句意図を誤解している場合は、どうかご容赦ください。コメントに対するコメントメールは大歓迎です。
・ 神様にメールで寿命聞いてみる
神に聞きたいことは多々あるでしょうが、「メール」でという発想がユニークです。ちなみに、聞くのは自分の寿命ですよね。永遠の存在である神様の寿命を聞いても意味がないのですが、何回も読んでいるうちに、ひょっとして、と疑問が湧いてきました。そういう微妙さがあるのが、この作品のおもしろさでしょうか。
・ 愚痴ばかり聴くストレスを聞くペット
このペット、人間の言葉が理解できなくて(?)よかったのでは。全部わかれば胃潰瘍になるやもしれません。そうなる前に家出もあり得ますね。飼い主はご注意ください。
・ リラックス貯めて心の黒字かな
リラックスを「貯める」と「心の黒字」になるという表現が秀逸。この句から、俳優の阿部寛が昔テレビで演じていた、「未来」(あるいは「時間」)を貯金できますかと銀行の窓口で訊ねるCMを思い出しました。このCMの内容をおぼえていらっしゃる方、教えていただけると嬉しいです。
・ 「君が代」はモンゴルの歌?孫が訊き
大相撲千秋楽の表彰式の国家斉唱で『君が代』が流れるのに、優勝を讃えられるのは白鵬、日馬富士、鶴竜……とモンゴル出身の力士ばかり。オリンピックと異なるこの珍現象を、相撲ファンの幼児は悩んでいることでしょう。
・ 天国もやはりあるのか付き合いが
職場や家庭、はたまた教会での人間関係で神経をすり減らしておられるようですね。ご安心ください! 天国で付き合いに悩む暇はありません。そこは、ひたすら神様を賛美する、真の喜びにあふれた世界のはずですから。
・ 礼拝で川柳浮かびうろたえる
川柳づくりに明け暮れているとこうなるのですね。その熱心さと姿勢には学ぶべきものがありますが、礼拝は神をたたえることに集中できるよう、祈りつつ臨みましょう。
・ エレベータこの人とだけ?不安顔
よくわかります。私もエレベータで女性と二人きりになった時は、普段以上に柔和さと実直さを前面に出して、「けっして怪しいモノではございません」という顔を作るようにしています。
・ 「コオロギだ」「スズムシでしょ」に音色止む
周りがうるさいので虫の声が止むのか、自分のアイデンティティを間違えられて嫌になって鳴き止むのか、あるいは何か不安を感じているのか、よくはわかりませんが、困惑している虫の様子が目に浮かぶ句です。
いかがでしたでしょうか。来年もこれらに劣らぬ、頬がゆるむような作品をどしどし送っていただき、みんなで楽しみませんか。
◇◇◇
最後に真面目な話。「川柳ひろば」はこれまでの延長線上で広がっていくのもよいのですが、もう一つの方向として、川柳を積極的に授業や父母との交信に取り入れている小学校や中学校と交流できないかと考えています。この思いは、以下の本を読んでますます強くなりました。
川柳での交流を通して親しくなった学校の子どもたちやご家族が、JELAが支援するアジアやブラジルの貧しい子どもたちと人間的に交流するお手伝いができれば素晴らしいことです。子どもたちがお小遣いを貯めて、JELAの世界の子ども支援活動をクラスや家族ぐるみで支援するという、胸躍る展開も夢ではないかもしれません。
ということで、来年は小さな子供や青少年のひろば参入に力を入れるつもりです。それを後押しするために、十代以下の投句者には「ヤング初回登場賞」をプレゼントします。皆さんのお子さん、お孫さんにもぜひ投句を奨励していただけると幸いです。また、川柳を積極的に活用している学校をご存知でしたら、どうかご紹介ください。
川柳ひろば管理人(森川博己)
◆「川柳ひろば」の投稿先:
日本福音ルーテル社団(JELA)「川柳ひろば」係
住所:150-0013 渋谷区恵比寿1-20-26
FAX:03-3447-1523
E-mail: jela@jela.or.jp 皆様のご応募をお待ちしています。
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