2015年10月9日金曜日

シリア難民川柳カルタ(その二)

このカルタ作成に参加者が与えられました。多文化共生川柳カルタの共同作句者(尾張小町)の一員、人見泰弘さんです。今回はウの句を送ってきてくださいましたので、私がエとオを通勤電車内で作りました。これでアイウエオが出そろいました。

このカルタは様々な方と協力して作っていきたいので、参加したい方は作品(コメントも自分でつけてください)を送ってきてください。川柳は本来コメントをつけるものではありませんが、川柳カルタシリーズは啓蒙的な意味を込めて、あえてコメントを付しています。……句だけ読むと何のことかわからない、という面を解消するためでもあるのですが、それは内緒。
川柳ひろば管理人
森川博己

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ウ 右往左往EU難民道知らず (人見泰弘)
Googleマップより
EUは難民の受け入れ分担を決定しましたが、その域内では、ハンガリーやクロアチアなどが自国の国境を閉鎖したり他国に難民を移動させたりするなど、難民への対応や方針は混乱したままです。難民自身も、どこに向かわされているのかわからないまま、国際的保護を待ち続けています。EUも難民も、どの道をいけばよいのか混乱しています。

エ ええのんか門前払い宣言し (森川博己)
私は大阪府吹田市の出身です。今後は大阪弁の作句に心がけたい次第です。さて、「門前払い」というのは、記者から質問された安倍首相の応え、「人口問題として日本は移民を受け入れる前にやるべきことがある~」のことです。ポツダム宣言について「つまびらかには知らない」とのたまわった首相です。難民を保護するための国際条約が半世紀前から存在し、それに日本も30年以上前に加入している事実を知らないのでは。法務省入国管理局の皆さん、条約内容を首相にブリーフィングしてください。違憲立法を拡大解釈でごり押しできる手腕のある首相ですから、条約に記載がないので認定できないと法務省が苦慮されている「紛争地から逃れてきた人」など、苦も無く拡大解釈してみせるでしょう。

オ 遅すぎることはないのよ何事も (森川博己)
7日に欧州議会で仏独首脳が、ベルリンの壁崩壊以来26年ぶりに共同演説を行ったそうです。難民問題への欧州の危機感の強さを表しています。演説の中でオランド仏大統領は今回の難民問題の原因となっている中東・アフリカ情勢の不安定化にふれ、「欧州は、こうした地域の悲劇が自分たちに関わることを理解するのが遅かった」と述べ、結束を訴えたと言います。遅すぎたと言えども、明確に問題を認識することが解決の第一歩です。一億総活躍社会しか頭にないような日本の政権。難民問題解決への多額の拠出は評価できますが、そもそも上記の危機感を共有できているのでしょうか。また、欧州その他の国々は日本の対応を(実際は)どう見ているでしょうか。

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