2015年4月6日月曜日

【川柳ひろば】難民支援川柳カルタ(たちつてと)

難民支援協会代表理事・石川えりさんから、立て続けに「難民支援川柳カルタ」作品が届きました。た行は簡単だったのでしょうか。作品を眺めてみるとそうでもないようで、いつにもまして充実しています。この調子で残りを詠んでいただければと願います。コメントは石川さんと川柳ひろば管理人・森川の共作です。

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た=大使館恐れて暮らす日本でも
難民用シェルター「ジェラハウス1」
 出身国から迫害を受けている場合、大使館は脅威の場所です。真正のパスポートが得られず国外に出るのは仕方ない事態と言えるでしょう。難民申請者の日本での居住地情報が駐日大使館などにわからないよう、支援団体は細心の注意を払います。

ち=地球儀をまわして探す故郷かな
 異国の地球儀上に自分の国を見つけたとき、その難民申請者の頭にはどういう思いが去来するでしょう。本国で受けた迫害でしょうか、それとも平和だった日々の思い出でしょうか。想像の難しいことですが、少なくともオリンピックのときに自国を誇りに思うような単純な目つきではないような気がします。この方々の目に、真の安心と喜びが見られる日を願って、難民支援団体は日々活動しています。

つ=疲れたと事務所に朝来て眠る日々
難民用シェルター「ジェラハウス2」
 ジェラハウスのようなシェルターで利用できる部屋数は、それを必要とする難民申請者の数よりずっと少ないです。お金もなくシェルターが利用できない場合、野宿したり駅で寝ざるをえません。朝になり、支援団体の事務所が開くとすぐに訪れ、そこで事務所が閉まるまで過ごす方もいます。もしあなたが同じ立場だったら、こんな扱いを我慢できますか? 難民条約に加入しているにもかかわらず難民申請者が住める場所を十分に確保しない政府の取り組みは不十分と言われても仕方がないと思います。

て=転々と移動を強いられ住所なし
 上の「つ」とも関連しますが、お金も家もない人がまず頼るのは、日本で暮らしている親族やどこかで知り合った友人です。しかし、その人々にも経済的な余裕がない場合、数週間・数か月おきに新しい場所を求めて引っ越すことになります。住居が定まらないことは、精神状態を不安定にする大きな要因です。居室数が十分でないとはいえ、都内に2棟あるジェラハウスは、難民申請者や支援団体にとって貴重な財産です。

と=遠くから来る交通費心配す
難民申請をしたり、その手続きが継続している間、申請者の方々は支援団体の担当者を
訪問し、何度も細かい打ち合わせをする必要に迫られます。約束の時間になかなかやって来ないので不思議に思っていると、家から事務所まで数百円の交通費さえないという電話があることが往々にしてあります。それほど、生活が逼迫した申請者が多いのが現状です。


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